急性糸球体腎炎


原因
A群溶連菌の感染症に引き続き起こることが多いようです。A群溶連菌とこれに対する抗体が結びついて腎臓の糸球体というところに蓄積した結果、急性腎炎が起こるといわれています。上まぶたが腫れたり、尿が濃いなどの症状で気づかれます。幼児、学童に多く見られます。

症状
溶連菌による扁桃腺炎、咽頭炎、膿痂疹などにかかってから、1〜2週間後に血尿、高血圧、浮腫などの症状が出てきます。尿量は減少し、尿蛋白も陽性になることがほとんどです。
初期には無症状のこともあります。

診断
高血圧、浮腫があり、尿検査では血尿、蛋白尿を認めます。血液検査で、免疫に関係する蛋白の補体価が低下したり、溶連菌に対する抗体が陽性になります。

治療
特別な治療はありません。入院して、安静、食事療法を行い、自然に良くなるのを待ちます。急性期には食事中の塩分、蛋白質、水分の摂取を制限して経過を見ながら、いろいろな制限を緩和していきます。

将来について
一般的に予後は良好です。入院は2ヶ月前後必要です。6ヶ月から1年でほとんどの子どもは完全に治ります。しかし1〜2%は慢性腎炎に移行することがあります。経過がよい場合でも、その後血尿が続くこともあり、尿検査を引き続きう受けておきましょう。

注意すること
溶連菌をきちんとなおして、予防的にペニシリンなど抗生物質を内服する必要があります。のどが痛い場合や舌が赤くなったりする場合にはきちんと診察を受けておきましょう。
→溶連菌症
初期に頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどを起こして、重篤になることがあります。これは急激に高血圧が出現して脳症状がでるもので、高血圧性脳症といわれ、早期に発見して治療が必要なものです。


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