核黄疸


核黄疸とは
 新生児期に黄疸が出現し、その値が異常に高くなることによって脳の、特定部位の基底核、海馬回を中心にビリルビンの沈着、黄染がみられ、神経細胞が破壊されることにより、脳性麻痺、あるいは死亡の原因になるものです。

新生児期に間接ビリルビンが高値を示す様々な疾患が問題になります。Rh不適合溶血性黄疸は急速に黄疸が進行しますので、早期に治療が必要です。出生体重の小さい赤ちゃんは間接ビリルビンがあまり高くない場合でも、核黄疸の危険があります。体重が小さければ小さいほど、在胎週数が短ければ短いほどこの傾向は高くなります。これに感染や、呼吸障害、栄養障害など主々の原因が加わるとさらに、核黄疸を起こす確率が高くなります。ABO型不適合溶血性黄疸の場合は核黄疸にまで至ることはほとんどありません。

症状
 通常の溶血性疾患では生後3〜4日に、不活発、元気がない、哺乳力の低下、筋緊張の低下、吐乳、甲高い泣き声など非特異的な中枢神経症状を示します。
これらの症状に引き続き、易刺激性、筋緊張性低下、後弓反張、けいれんをきたします。

診断
黄疸があり、急速に上昇する間接ビリルビン値が高いとき、臨床症状にて疑われます。

治療
核黄疸になってしまうと治療は難しく、予防が主となります。脳性麻痺に至った場合は早期診断しリハビリを早期に開始することが重要です。
(2004.6.31 文献 31)

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