急性灰白髄炎(ポリオ)


以前は小児麻痺といって恐れられていた病気です。数日間の発熱の後、急に手足が麻痺する急性の伝染病です。乳幼児に多かったのですが、現在はポリオワクチンによって、日本ではワクチン株によるものしか出ていません。現在はアジア、アフリカ、シリア、中東などに見られるのみになっています。

原因
ポリオウイルスの感染によっておこります。患者さんかウイルスを持っている人からの便の中にウイルスがいて、経口感染します。

症状
潜伏期1〜2週間。ほとんどの場合は不顕性感染といって症状が出ずに終わることが多いのですが、症状が出る場合には感染者の4〜8%が軽度の発熱やのどの痛みといった感冒様症状を呈します。また発汗、四肢や背中の痛みなどが出現することがあります。このような症状のあと、1〜5%の方に、時に異常感覚を伴う無菌性髄膜炎が見られます。0.1〜2%に反射消失を伴う、四肢の非対称性急性弛緩性麻痺(だらりと力が入らなず、だらりとなる)が出現し、約250人に一人に麻痺が残ります。知覚は障害されません。麻痺は最初片方の下肢におこることが多く、続いて、麻痺が進行してきます。呼吸が麻痺することもあります。

治療
安静にし、呼吸筋が麻痺したときは人工呼吸器を使用することがあります。回復期には麻痺の部分の変形を防ぎ、マッサージ、運動練習、理学療法などを行います。

予後
麻痺はたいていは2週間くらいで回復に向かいます。一部の筋肉は永久麻痺となり、筋の萎縮や骨の変形をおこすことがあります。呼吸筋が麻痺する場合は予後はよくありません。

予防
不活化ワクチンを注射します。→ポリオワクチン必ず、接種してください。


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