じんましん
じんましん(蕁麻疹)とは
蚊にさされたときのように、皮膚がモコモコと盛り上がって、とてもかゆがります。形も大きさもいろいろで、急にでき、掻いたところがだんだん広がって別のところとくっつきあってゆきます。たいてい1-4時間くらいで消えてしまいます。 続いて、また別の場所に出てきます。24時間後には同じ場所からは消えます。小児では発症頻度は3〜4%程度で性差はないようです。 原因
食べ物や薬品のほかに着色料、防腐剤、動物、動物の毛、ダニ、カビ、植物、植物の汁、化粧品、寒さ、感染などたくさんの原因があります。海外では感染症が60%程を占めていると報告しています。
牛乳を飲んだ後や、卵、サバ、そばなど食べた直後に出てくるものはわかりやすいのですが、実際は原因がはっきりしないものが多いのです。
何か思い当たることがありますか?特に食事など思い当たることがあればしばらく食事日記をつけてみるとヒントがでてくることがあります。
じんましんがでているときは皮膚が何らかの原因で過敏な状態になっています。
このとき普段ならなにも起こらないものに対してじんましんがでてきます。この状態は4日から1週間ほど続きます。
家族の人にじんましんになったことがある人がいたり、以前にじんましんになったことがあれば、なりやすい体質を持っているということができます。
よく検査をしてくださいと言われますが、検査は何を調べるかはなかなか難しいです。
T型アレルギーによって起こる蕁麻疹の場合は卵や牛乳、小麦など食べてすぐに口の周りが赤くなったり、全身に発赤やじんましんが出現してきます。年齢によって、甲殻類、魚介類、ソバ、果物、ナッツなどが加わり、多様化してきます。
食品が原因として疑われる場合は、通常摂取後数時間位内に皮膚症状が出現します。この場合は血液検査(特異的IgE抗体)、皮膚テスト、負荷試験などがあります。 治療
@ お薬 : ヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1拮抗薬)を内服します。かゆみを和らげ、皮膚の反応を抑えます。加えて、抗ヒスタミン軟膏を使います。(3日から14日間)
A 冷やす : 冷たいタオルやクーラーで体を冷やすと楽になります。温かいお風呂に入るとまた広がることがあります。
B 食べ物の制限 : 皮膚が過敏な状態になっているので、3日間ほどは動物性蛋白質(卵、牛乳、肉類、魚)をひかえてもいいですが、あまり影響はないようです。
C 何度も繰り返して、じんましんが出るときは飲み薬を何週間か続けます。1ヶ月を過ぎると慢性じんましんという状況になります。
こんな時は診察をうけましょう
@ 咳が激しく、ゼーゼーと苦しそうなとき
A おなかを痛がるとき
B ぐったりしているとき
(補) 慢性蕁麻疹
発症してから1ヶ月以上続く場合をいいます。成人に比べて小児では少ないです。
多くの場合、H1拮抗薬を内服することでやがて寛解、治癒していきます。 コリン性蕁麻疹
小児から青年期に多く、運動、入浴、興奮、精神的緊張などの発汗時に見られる粟粒大の小型膨疹とそれをとり巻く紅斑が特徴です。また、痒みによりピリピリした軽い痛みを自覚します。
発汗が収まると、数分〜数時間で消退します。1/3〜1/2の症例でアセチルコリン皮内注射部位の発汗により、膨疹の形成を確認できます。
アトピー性皮膚炎や無汗症、乏汗症に合併しすいことやアセチルコリンや汗に対するアレルギーの存在があると考えられています。
治療はH1拮抗薬を使いますが、軽度であれば経過観察でもいいです。
寒冷蕁麻疹
寒冷の暴露を受けた局所に膨疹が出る場合と、全身が冷えたときに小型の膨疹が出る場合があります。
軽症で出現が間欠的である場合は、必要に応じてH1拮抗薬を内服します。重症の場合はH1拮抗薬だけでは症状発現を予防できないこともあります。
プールなど水中活動では激しい症状が誘発される恐れがあるので注意が必要です。 ◎何らかの機序により、皮膚マスト細胞が活性化し、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出され、皮膚微少血管の拡張と血漿成分の漏出を生じることで、それぞれ紅斑と局所的浮腫となります。
◎食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(FDEIA)
刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発できる蕁麻疹)の一つで食物の摂取のみでは症状は起こらず、運動など二次的な要因が加わることで生じる蕁麻疹の1型です。