扁桃肥大・アデノイド肥大


扁桃肥大
よく扁桃腺が大きいといわれますが、大きいだけで問題ないことが多いのです。のどの奥の両側にぽこっと丸く見えるのが扁桃腺というリンパ腺です(右図 1995 Anatomical Chart Co.(株)アプライの図より)。正式には口蓋扁桃といいます。これが大きいのが扁桃肥大といわれています。程度により3段階に分けられます。
ほとんどが症状がありませんが、いびきの原因になったり、睡眠時に無呼吸の原因になることもあります。大きいだけでは手術をする必要はありません。中学生くらいになると、小さくなります。

ポイント
熱が出たときなどよく扁桃腺がはれているといわれます。扁桃腺炎といわれると納得されるお母さんやおばあさんが多いのですが、実はほとんどがかぜのウイルスが感染していて、のど全体が赤くなっていることが多く、扁桃腺がよく目立つので、扁桃腺炎といわれることが多いのです。(→「それって扁桃腺?」)扁桃腺だけが悪いことはわりあい少ないのです。
大切な働きとして、細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割をしています。
したがって、はれるから取ればいいというものではないのです。
扁桃腺に膿がついて、化膿しているときには化膿性扁桃腺炎といいます。この場合は細菌が感染していることが多く、熱が高く、長く続くことがあります。細菌の中には溶連菌といって、抗生物質で中途半端に治療されると、後になって腎炎など起こすものがあるので要注意です。→溶連菌症

手術が必要な場合
@繰り返し、扁桃腺がはれ、熱がでるとき。
A扁桃腺にいつも細菌が巣くっていて、発熱の度に血尿などがみられ、腎炎などが心配される場合。
B扁桃肥大のため呼吸が苦しくなるとき。無呼吸などが見られるとき。
◎扁桃腺肥大によっておこる被害が手術をすることにより起こる合併症などより強くなると考えられるときにはじめて手術を考えましょう。納得がいくまでよく医師と相談してから決断してください。

アデノイド肥大
アデノイドはのどの奥の、見えないところにあり、これもリンパ腺の一つです。

症状
これが大きくなると、鼻の奥が詰まった状態になります。このため、鼻で呼吸ができなくなり、口呼吸をするようになります。
また、耳の奥に空気が入りにくくなり、難聴になることもあります。
いつもぼーっとして、口呼吸をし、口臭などの原因になります。注意力も散漫になります。

治療
肥大が強く、先の症状が出るときは手術が必要になります。耳鼻科の先生に相談しましょう。小児科医はアデノイドを見ることができないのです。

その他の注意すること
発熱が続いて、なかなか下がらないとき、アデノイドの周囲炎がおこっていることがあります。この場合、熱がなかなか下がらずしかも高い熱が続き、原因としてはっきりわからないことが多いのです。耳鼻科の先生にチェックしてもらう必要があります。アデノイド周囲炎といいます。


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