マセラティクアトロポルテの部屋(3)


MQV6
MQV8
New Maserati Quatroporte
Grunting Maserati

New Maserati Quatroporte
試乗記 2004.7.4
O氏からコーンズによる新型マセラティクアトロポルテの試乗があるとのこと。いそいそと出かけた。今回はS社の社長さんの考えで高速を走ることができるという画期的なもの。高速ICの近くの展示場で実車を見た。
まずは外観、ダイナミックなラインで構成され、さすがのイタリアンデザインに圧倒された。色はシルバー。よく似合っている。かなり大きな車だが、大きさを感じさせない。
3つのエアーインテイクがノスタルジックである。前面はなんというか、大きな顔で口がどう猛な感じでしかもでかい、といった凡庸な表現にしかならない、がデザインの妙が感じられる。真横から見ると鯉が口を開けているよう。魚類だ。見る方向によってすごくかっこいいと思うときと、間が抜けて見えるときがある。後ろ姿は写真で見ると良くないなと思っていたが、意外にたっぷりしている。
全体に車高が低く、他のフルサイズのデカ車と比べるとスポーティである。
純正のホイールはいまいち。前のタイプのホイールが素敵だったので、少々がっかりである。
ライトの位置が比較的上の方にあり、アンバランスな印象である。
全体的にノスタルジックな感じがする。


ドアはこれといって強いインパクトなく、ズワンと締まり、さすがに高級車然としているが、印象が薄かったのはなぜ。普通は必ずチェックするのだが。室内は黒だった。シートは広く、乗り込むときに大きく後ろにずれるそうだ。電動で座席位置を決め、ハンドルを握ってみる。大きな車にしてはハンドルは小さくタイトである。ハンドルの内側にパドルが付いていて、右がアップ、左がダウンとなっている。このパドルの端とか、エアコンの風向きを調節するバーがクロムメッキされていて、どうも安っぽく、品がない。

中央にマセラティの時計。これもブルーの文字盤で冴えない。メータのバックも明るいブルーで、4代目のMQの室内の方がずっーとセンスを感じる。
中央に可愛いデザインのシフトレバー。これはバックのためのもので、この大きな車にしてはあまりに可愛いのだが、フェラーリのものと同じものという。

 始動。キュキュキュンとかかった。いいな。とりあえず、マニュアルかオートかを選ぶボタンで、マニュアルを選び走ってみる。そろりと出て、少しアクセルを踏み、飛び出さないように気をつけた。乗っているとそれ程の大きさは感じない。一般道を気をつけてゆるゆる走り、高速へ。ここまではどうということはない。静かで乗り心地も良い。
高速に入り、加速。一瞬にして、合流。図体はでかいがさすがに加速はするどい。傲慢な加速ではない。右のアップのパドルを上げていくと、すーっと加速していく。風切り音はまあまあか。僕のMQよりも少し、足が柔らかい感じ。ハンドルの遊びが大きいのだろう。なれるのに時間がかかった。
シートのホールドも悪くない。マッサージ機能があったらしいが、使ってみる余裕なし。隣で妻がなんか変と言っていた。
エンジン音はまあまあで、室内は静か、サウンドシステムがすばらしく、バイオリンが繊細な音を上げていた。

心なしか、追い越し車線をぐんぐん加速すると、前の車がレーンを譲ってくれる。多分見たこともないようなでかい車が迫ってきたので、慌てて逃げている印象。
追い越しのときには左のパドルでギアを下げ、ぐいっと踏み込むと強烈な加速感がある。フェラーリサウンドははじめ余裕がなく、なかなか体験できなかった。帰り道、オートマモードで走ってみたが、高速で少し息継ぎをするのが気になった。左のパドルで二つほど、ギアを下げると強烈な加速とともに、キーンという乾いたエンジン音が響き、これがフェラーリサウンドらしい。これはちょっといい。気持ちが沸き立つ感じ。
足回りもしっかりとタイトで車線変更や追い越しに不安はない。帰り道には車の感覚もわかるようになってきた。静かな興奮のうちに無事帰還。 トータル的に良くまとまった印象。しっかりした足回り、静かな室内、ゴージャスな内装、グラマラスなボディ、強烈なエンジンに加え、イタリア車らしくない細かな配慮がなされていた。
しかし、高速を走っていて、細かな振動やフアッとした感じに違和感を覚えた。今の4代目に比べてものすごくいいかというとそうでもないと思った。加速の鋭さは今の4代目の方がいいし、よりスポーツ感がある。やはりこれだけ大きい車体だとスポーツ性をとやかく言うのは難しいものかもしれない。普通の道を普通に走るのはセミオートマではいささかスムースではない。落ち着かず、これがこのクラスを買おうとする人に対してネックになろう。横で妻が乗りごごちは良かったよと言っていた。

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