下痢のとき
下痢とは便に水分が多いものをいいます。便の回数も増します。母乳栄養児では軟便が頻回にあっても下痢ではありません。個人差がかなりあります。
原因
ウイルス、細菌の感染、アレルギー、消化酵素の不足、心因性、消化不良などです。
ウイルスによるものがかなり多く、細菌性(キャンピロバクター腸炎、サルモネラ腸炎、病原性大腸菌性腸炎 腸炎ビブリオ)のものも最近は増加しています。
冬の小児の下痢症は70%以上ロタウイルスが原因といわれています。→乳幼児嘔吐下痢症
便の様子
水様、泥状。
粘液便:粘液が見られるもの
粘血便:粘液に血液が加わっているもの
膿粘血便:粘液に血液と膿がみられるもの
※一般にウイルス性下痢症では水様、泥状となることが多く、細菌性下痢症では粘血便、膿粘血便になることが多いです。
どんなことに気をつけるか。以下のことをよく観察して、診察のときに話してください。
便の性状は、色、においなど
便の回数は
発症はいつから
発熱は
腹痛を伴うか
鋭い痛み、鈍痛
食事との関係
下痢の前に変わった食べ物を食べていないか、外食、生のものなど
家族など他の人は下痢をしていないか
※診察時に便をもってきていただくと、どのような便かでかなりいろいろなことが分かります。
できるだけ持参してください。特に大きなお子さんの場合、便を取るということに抵抗があり、便のチェックをするのは大変難しいのです。
早めの診察が必要な場合
@腹痛が強いとき
A下痢(粘血便など)がひどいとき
B嘔吐を繰り返すとき
C高熱が出ているとき
Dおなかが張っているとき
E顔色が悪いとき
少し様子を見て良い場合
便の回数も少なく、軟便程度で、元気があり、食欲もあるとき。
家庭での注意
食事:下痢のときの食事を参照してください。
お風呂は熱がなく、元気があればかまいません。このとき、お尻がただれやすいので、良く洗ってやりましょう。→座浴
緊急を要する症状は
@下痢と共に顔色が悪く激しい痛みを訴えるとき。
A頻回に嘔吐を伴いぐったりしているとき。
B膿粘血便などのとき。
※これらの場合はすぐに病院を受診しましょう。